納涼船

天氣曇天なりき、風强し。こゝ參年來、夏には知己の婦女子らと連れ立ちて東京灣納涼船に乘るのが恆例行事になりし。乘船劵を落とすなど裵々の失敗あれど落船しなかつただけ良しとしやう。浴衣は見るも樂し、着るも樂し。無論其れ女子の浴衣や、男子の五百十二倍は良し。
歸宅後、何処かの蓋が開き、友人難儀す。